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日本の庭園






 
 
 
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こころに響く庭 祇王寺

 

 

そうは云っても こころに滲み入って
くる庭は、やはり京都には多い。
嵯峨野の祇王寺を訪ねたのは
夕暮れ時であった。

山裾に抱かれ、うっそうとした竹林、
木々に囲まれた祇王寺は、ひっそりと
佇んでいる。

 

こころを打たれたのは、庵の前に広がる
簡素で こじんまりとした庭である。
幾年もの間、積み重なって来たであろう
柔らかで分厚く広がった一面の苔の間
から、幾本か楓の白っぽい木肌が伸び
ている。 
その分厚い苔の中で、清らかな一筋の
水が 人目を避けるように ゆるやかな
細い流れを作り出している。

暮れかかるたそがれの中で、それは
際限のない眺めだった。

かつて祇王は、とめどない想いを
この庭に閉じ込めてしまったのだろうか。

 

 
< 祇王寺 本堂前庭園 >
 

 

我に返って 振り返ると、本堂となって
いる庵の奥に安置された小さな仏像が、
夕暮れの中で電燈の明かりに照らし
出され、金色に輝いていた。

 

祇王寺に佇んでいると、
余分なものはすべて鴨川にでも流し去り、
晩年の日々を身一つで 静かに紡いでゆく。
そんなことが できるような気がする。

 


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